
「あの店の“あの人”に頼ろう」の“あの人”が集まる調剤薬局へ。
進化させてこそ そう考える大切な課題
1976年に創業してから約40年。
地域の人々の役に立つ最も信頼される薬局・薬剤師を目指して運営してきました。
今では、日野市に9店舗、八王子市に7店舗、多摩市に1店舗、国分寺市に1店舗の計18店舗となり、
7店舗は、OTC併設調剤薬局で、11店舗が調剤専門薬局。
規模だけで考えたら、私が一代で実現したこの数字、よくやったように見えませんか?
イタズラな表情で、話をしてくれたのは代表の野村さん。
年齢を感じさせないエネルギッシュな人物である。
「ですね!」そう返答すると・・・
それが、まだやりたいことが沢山あるんですよ。
確かに地域密着型のモデルで考えれば、このエリアで、1~2を争う企業に
成長したかもしれないんですけど、
本当に到達したいと考えている「役に立ち最も信頼される薬局」になれているかというと、
残念ながら大いに疑問な訳です。
そもそも全ての店舗のクオリティを高い次元で担保しようとすればするほど、
「採用、教育」の両面に、今以上の力を入れて人材の底上げ、
特に優秀なマネジャーを育成しないとならないと思っているのです。
近年、ここを進化させてこそと取り組んでいる大切な課題ですね。
それぞれが、あの店の“あの人”になる
いつからか「人々の役に立ち、最も信頼される調剤薬局、薬剤師」という理念でありビジョンを
達成するためには、もっと具体的なイメージを共有できる言葉が必要ではないかと
考え始めました。
役に立って信頼されている状況って具体的にどんなだろう。
一般的に仕事って、お金をもらう側が「ありがとうございます」で、
支払う側が「ご苦労様」だったりするじゃないですか。
でも薬剤師の仕事は、お客様がお金を支払った上にありがとうって
感謝してくれることの多い数少ない職種だと思うのです。
そう考えると、いい加減な仕事はできないし自ずと勉強をするようになる。
そして、勉強を積み重ねたその先にあるのが、ビジョンが実現している姿だとしたら、
それはきっと「スタッフそれぞれが、あの店のあの人」になっている状況なのだと思う。
具合が悪い時、なにか困ったときに「だれに頼ろうか?」って考える。
そこで「あ~・・・ノムラ薬局の◯◯さんを頼ろう」って考えてくれる。
これが「役に立って、信頼されている調剤薬局、薬剤師」なんじゃないかなって。
どう?なかなか、歯応えのありそうな目標でしょ?
試行錯誤が作り上げた研修体制
新卒者が入社してくる。国家資格を取得していたとしてもそこはやはり、
社会人と比べれば、素人同然であり即戦力とは、ほど遠い。
もっとも、この点に関しては、入社してくる当人たちの方が、
現実的に考え、不安に感じているかもしれない。
そこで、ノムラ薬局の受け入れ体制について、簡単にご紹介させていただこう。
まだ、万全とはいい難いが少なくとも過去の新卒採用、育成を経て作り上げてきたものなので、
現在が過去最高の出来と言わざるを得ないのであるが(笑)
大分類9。小分類38。小分類を細分化すると合計で100以上の確認項目がある。
例えば・・・
大分類:接偶。
小分類:身だしなみ・言葉遣い。
内 容:身だしなみが薬局に適しているか。尊敬度・謙譲語の使い分けが出来ているか。
などである。
これを約半年の期間で、身につけていく。決して簡単ではない。
だから、マンツーマンで先輩スタッフが新卒者を受け持つメンター制度がある。
悩んだり、壁にぶつかったりしてもこれなら安心して相談できると思う。
配属先の決め方に関しても、設定している仮配属の期間を踏まえて決定していくのだが、
それは、また別の機会にご紹介させてもらうことにしよう。
集まっているメンバーと集めたいメンバー
いま働いているいるノムラ薬局のメンバーを一言で表現するのであれば、
「洒落が通じる真面目なやつら」である。
今朝も朝早くから会議をしていたようだし、
月に2回開催されている20時からの勉強会にも積極的に参加してくる。
また、たまの第5月曜日は、全社員参加可能の飲み会が開催されるのであるが、
任意参加であるにも関わらず、毎度30名以上が参加し大いに盛り上がる。
みんな、自分で考え自分で楽しむことに積極的なやつらなのだと思う。
だから、そんなスタッフと共に働くメンバーとして迎え入れたいタイプも同じく、
自主的に行動できる“素養”を持っている人である。
先にもお話した通り、入社してくれた人の成長を後押しするための研修制度はある。
しかし、当の本人が自分の成長を他人に依存しているようでは、
いつまでたっても先輩社員とのパートナーシップは、築けないと思うし、
一人前の薬剤師にもなれない。
しかも、お客様からすれば、新入社員で半人前の薬剤師だろうが、
熟練の薬剤師だろうが、同様に期待と責任を求めやってくるのである。
では、自主的に行動できる素養を持っている人とはどんな人なのか?
いまのところ、洒落が分かり真面目であれば良さそうである。
金子くんが教えてくれた、たったひとつの大切なこと
とはいえ、若い時の私なんて、とても自慢できたものではない。
高校受験で失敗し、自宅近くで行きたくなかった、都立高校に入学する羽目になり
最低レベルの高校という環境の責任にして、遊び呆けていた。
それこそ、学校の勉強より麻雀の勉強の方が多いような生活だ。
そこに現れたのが、金子くん。中学の同級生である。
彼は中学時代、私より成績の悪い生徒だった。しかし彼は、同じ高校に入学した後も
へこたれずに勉強し続けた。
そして、大学入試。彼は、念願の国立大学へ合格。私は、浪人生活へ。
「環境の責任にして、高校生活を棒に振った自分はどれだけバカなのだろう」。
この件は、私にとっての転機となる。
「努力は、人を裏切らない」。金子くんは、そんな大切なことを教えてくれた。
それを機に、一年間勉強し、東京理科大の薬学部へ入学。
カクカクシカジカあって、現在に至っている。
そう考えると、学生に注文をつけている場合じゃないのかもしれない。
だって、いまや6年制で医薬分業も進んでいるからあの頃の私より、
たくさん勉強し、社会に対する使命感に燃えて出てくる人が多いのだろうから。