100%お客様の味方に。
10年後になくなる仕事として・・・
そういえば、薬剤師の仕事って「10年後に、無くなる仕事」のひとつとして
挙げられているのをご存知ですか?
その理由は「医師に処方された薬を袋詰して、患者に渡すだけの仕事だから、特別なスキルがなくてもコンピュータが全てを行えるようになるし、なんならその方が正確で、
間違えないから」なんだって。
こういうのを聞くと、まだまだ薬剤師が提供している仕事って理解されていないんだなって、残念な気持ちになる反面、もっと頑張らなくちゃいかんな~って燃えてくるんだよね。
心なしか熱を帯びた口調で、平田社長は続ける。
お医者さんが出した処方箋の内容をチェックするのも、患者さんへの説明や質問に応対するのも仕事。むしろ、こっちの方が、薬に対する知識を持っている我々が担うべき重要な役割なはず。時には、世間話の相手をすることだってあるしね。
それって、機械には少し難しい注文だと思いませんか?
患者さんが機械に
「この薬効いていないような気がするんですけど・・・」って話しかけても
きっと
「・・・・・・」
だと思うんだけどね。
そう笑いながら話す表情が、少し寂しげに見えた。
100%の味方でありたい
患者さんは、調剤薬局に薬を求めてやってくる。
だから言わずもがな、求められた薬が存在することはとても重要。
薬剤師は、お医者さんが出した処方箋内容をチェックし作って渡す。
だから、薬の知識があることがとても重要。
でも、平田薬局が最も重要だと考えていることは、100%患者さんの味方になること。
大切なのは、患者さんが感じている苦しみや辛さを理解してあげることなのだと考えている。
ちなみに、理解することと判断することは大きく異なる。
泣いていれば「辛そう」。笑っていれば「楽しそう」。これが、判断。
なぜ泣いているのか?なぜ笑っているのか?
どのくらい辛いのか?どのくらい楽しいのか?
そんなことが分かるのが理解。
自分の病状に悪いと知っていたって、カップラーメンが食べたくなることだって、
ありますよね。
そんな気持ちを汲み取って上げることができれば、カップラーメン1食だけではなくて、
トータルの食生活でアドバイスが出来たりするもんだと思うのです。
薬剤師は、患者さんの味方であれ。
これが、平田薬局の方針であり、有り続けるべき姿なのです。
人と近い距離の仕事を
夢のあるような話ではないけどいいかな。
私が、薬剤師になった理由なんて、そんな立派なものがあるわけじゃないのです。
そもそも親族に、薬剤師は一人もいないですしね。
高校生の頃、特に英語の成績なんか見れたものじゃなかったのだけど、
化学だけは成績が良かった。
それこそ、100点取れなかったら悔しいというレベル。
それで、化学を活かせる学部を探したら、薬学部にぶつかった。
国家資格を取得できるのも魅力のひとつだったけど、今みたいに薬学の知識を活用して、
人の役に立ちたい!
そんな、想いが固まっていたわけではないのです。
MRに就職。病院も考えたんだけど、実習先の調剤室が地下にあって、
誰とも会話せず黙々と作業を進め続ける体験をさせられて、やめることにした。
営業を続けているうちに、薬を利用する患者さんの近くで仕事をしたくなって、独立。
この時点では、いまと同じ気持ち。
つまり、どうしたらお客様の力になれるのかってことを真剣に考え始めていた。
創業して18年。
満足はしていないけれど、少しは、お客さまの力になれる会社になったような実感はある。
薬より人が好きな人と
こんな小さな会社にだって、ひとつやふたつ自慢できることがある。
例えば当社の女性社員は、ほぼ産休を取らないで働き続ける。
もちろん、取らせないわけでも取りづらい環境であるわけではない(たぶん 笑)。
出産後、少し落ち着くと みんなは子供を連れて出勤してくれる。
勤務中も子供の世話ができるように、みんなでサポートするから保育園より快適らしい。
お客様の名前覚えもいい。だから信頼していただいている(はず 笑)。
うちのスタッフは、車のナンバーを見るだけで、多くの患者さんと薬が一致する。
仕事のスピードが上がることもメリットのひとつであるが、
なによりその熱意が伝わり、コミュニケーションがスムーズになる。
そう考えると総じて、薬以上に人に興味がある人が集まっているんだなって思う。
だから、新しく一緒に働いてくれる人も「人のことが好きな人」がいい。
薬以上に人への興味がある人。
そんなメンバーが集まれば理想的な調剤薬局が作れると思う。
理想的な調剤薬局ってどんなかって?
それは、もちろん100%患者さんの味方になれる薬局ですよ。
意外なる先生に教わりながら
調剤薬局という職種が、将来有望な職種かは分からない。
でもやっぱり 近い未来には、なくては困る職業に選ばれているよう
努力していかなければならないと思う。
医者が、不足している近年の状況は、当分変わらないと予測されている。
その解決策として、国が在宅医療の推進に舵を切ったので、病院のベッド数も3割ぐらい
減らされる。しかし、在宅を対応するドクターがいない。
では、誰が病院へ来られない患者さんを対応するのか?
そんなところにも薬剤師の活躍の場はあると思う。
活躍するためには薬剤師ひとり一人の能力が求められる。
1年や2年で、一流になれるわけではないけれど、目指し続ければ誰にだって
手に入れられるレベルの能力が。
少なくとも平田薬局には、私だけではなく面倒見の良い先輩社員がいる。
1からじっくり教えてくれるから、未経験の新卒でも安心して飛び込んで来て欲しい。
そういえば、教えてくれると言えば、ベテランの患者さん。
新人を鍛えるために意地悪な質問をくださる先生でもある。
数々の問題を乗り越える。その繰り返しが、薬剤師を育ててくれるんだと思う。