「めんどくさい」の向こう側。
あなたは大病を患ったことがありますか?
現在、東武東上線沿線を中心に、約30の店舗を展開しているパル・オネストは、
1988年に現代表取締役の齋藤信夫氏が創業した調剤薬局のグループ企業である。
その中で、経営陣として事業運営に深く関わると共に、人材採用の責任者を努める
取締役 薬局運営本部長の齋藤裕之氏にお話を伺わせてもらうことになった。
「なぜ齋藤さまは、薬剤師になり調剤薬局の経営に携われることになられたのですか?」
そんな質問から取材がスタートする。
小さい時、実の父である齋藤信夫の仕事を見て憧れた記憶はないんです。
むしろ、小・中学生位の時は、おぼろげに医者を目指し始めていたし、
父の会社を継ごうという気持ちも無かった。
後に、2つの理由により変化するのですが・・・
ひとつ目の理由は高校時代。
「医者になれるレベルの成績じゃなかったし、そのレベルに付いていけなかった」
という単純な事。
なにしろ理系の成績が悪かったので、医学部への道を追い続けることに大いに苦戦した。
この頃には、医者以外にも薬学に関係する業界への興味が増していたという事情も後押しし、
ワンランク下げて薬学部へ。卒業後一浪して、国家資格を取得。薬学部を出たのに
資格を持っていないなんて嫌だった。これが薬剤師になった経緯であり理由である。
ふたつ目の理由は、社会人一年生の時なのだけど・・・
ここで、質問がやってきた。
「あなたは、大病を患ったことがありますか?」
白血病と告知されたあの夏
薬剤師の資格を取得した私が就職した先は、MS。
薬剤師の資格を必要としないし、
むしろ文系出身者の方が多かったと記憶しています。
選んだ理由は、同年代の友人達が先に社会でバリバリ働いているのを見て、
少し、閉鎖的だと感じる薬局業界に努めることへの不安があったから。
既に、差をつけられているように感じる同年代に「これ以上差を付けられてたまるか。
よし!厳しい環境で自分を磨こう」ってね。
でも、半年で退職することになった。理由は、大病を患ったから。
病名は、慢性骨髄性白血病。知っていますか?白血病にはいくつかの種類があるんです。
それによって、生存率も変わってくる。
だから告知された直後は「どんな白血病なのか?」「どのくらい生きれるのか?」と
悩みましたね。っで、次に思ったのが「花見は、もう出来ないのかな」って。
幸運なことに私の場合、薬のお陰で大事には至らずに済みました。
本当に薬ってありがたいですね。笑
この経験は、いまの仕事に活きています。
患者さんって、具合が悪い→薬をもらった→元気になる。
という単純なことではなく、元気になるまでの間、自分自身の体のことや将来のこと、
家族や仕事のことなど、病気を患ったというキッカケから派生する
複雑な悩みを抱えたりするんですよね。
だから、薬局は患者さんの悩みに「寄り添う会社でありたい」って思うのです。
私たちのビジョンでありスローガンである「世界一感動できる企業」。
目指しているのは、まさに、そんな薬局です。
社員満足度向上への取り組み
会社にとって大切なのは、社員とその家族。
普段から「経営者は、社員と家族を大切にするので、みなさんは、お客様を大切にしてください」
と伝えていますし、
具体的な施策も用意しています。
例えば、福利厚生。
基本的に、子供が3才になるまで時短勤務が可能で、希望があれば小学校入学まで延長ができます。
社内イベントが開催される時には、一人あたり3,000円の予算を補助し
社内コミュニケーションの促進を後押ししています。
もちろん社内イベントの企画は自由。
また、毎年、社員満足度調査を行いその結果を受けた経営陣は更に満足度を
高めようと議論を重ねていくのです。
研修制度も新人研修、マナー研修、基礎研修、フォローアップ研修、薬剤師研修、
その他を含めると合計10種類以上あり、資格だけではない真のプロフェッショナル育成に
力を入れています。
さらに、複数年にわたるキャリアプラン。
1年目は約2か月の本社研修、1か月のOJT研修を通じて7月に店舗に配属されます。
翌年の5月まで約10か月勤務した後、異動があります。
2年目では月に一度のスキルup研修(全5回)もあり、
基礎を身につけた新入社員にさらなる成長の機会を用意しています。
2年目の10月にまた異動があり、入社して2年間で必ず3店舗経験してもらっています。
これは応需科目や知識の偏りを防ぎ、幅広い処方箋に触れてもらうためです。
3年目からは定期異動はなくなりますが、薬局長への昇格も可能になります。
やる気がある人にはどんどんチャレンジして欲しい。
その後入社6年目からはエリアマネージャーへの昇格のチャンスもありますし、
研修などを担当する「業務推進本部」、採用や店舗開発に携わる「経営企画室」への
転籍ができるチャンスもあります。
「めんどくさい」の向こう側
「いまの会社に点数を付けるとすればどれくらいですか?」
そんな質問に少し間を空けて「難しい質問ですね~」と苦笑しながら答えが返ってくる。
会社や店舗単位では難しいけど、社員個々を見た時に「優秀だな~」って
思うことはありますね。ただ、目指している状態に対してどの程度到達しているのかと
聞かれてしまうとね。
珍しく歯切れが悪い。
「では、目指している状態というのはどんな状態なのですか?」
今度は、即座に返答がくる。
それは「地域の人々に愛され、信頼され、喜ばれる存在として社会に貢献し、
皆様の健康をサポートする、選ばれる企業」になれている自信が芽生えた時じゃないかな。
「難しそうですね~。ちなみに、選ばれてるってどんな時に感じられるのですか?」。
そうですね~・・・
例えばあなたは、処方箋をもらった病院の隣にある薬局にいきますし、
ドラックストアも近くにあるところや通りすがりのお店を利用しませんか?
そんなあなたが、私たちの薬局に来て相談してから薬を服用したいって思ってくたら
「選ばれている。頼られている。嬉しいな。」ってなるんです。
そんな「めんどくさい」を通り越しても通いたくなる薬局でありたいと思っています。
そのためには、薬の知識だけでなく色々な魅力を身につけたスタッフであり、
店舗であり、会社でなければならないんですけどね。
よく社長が言っています。「薬剤師である前に、心豊かな人間であれ」ってね。
「ココロネ 美男美女」それが欲する人材像
ずばり、「いい人」が多い会社だと感じています。
だから、「わるい人」が入社してこられるのは困ります。
希望を並べれば、キリがないのですが、私たちが求める人材像は、
たったそれだけなのです。
みんなで飲みに行くこともあります。
そんな時に、一緒に楽しめる。
誰かが誕生日を迎える。
そんな時に、自分の事のように喜べる。
悩みを打ち明けられたり、聴いて挙げられたり。
「心根のいい人」が集まった会社にしていきたいと思っています。
ということで「心根美男、美女」との出会い、楽しみにしています。笑